審査委員長総評
河野英喜氏
(株式会社エントランス代表)
1968年生まれ。島根県浜田市出身。 JPS公益社団法人日本写真家協会会員
今回も多数のご応募をいただき、力作ぞろいの作品を一点一点ワクワクしながら拝見し、選考させていただきました。社中によって異なる神楽面の表情や、熱心に神楽を観覧する人々の空気感を捉えた作品、撮影テクニックを駆使して迫力を生み出した作品など、それぞれに個性と魅力がありました。また、夕方の美しい情景が広がる国府エリア、夜の蛍が幻想的に舞う風景、浜田ならではの自然や街並みを切り取った作品など、この地の魅力を感じさせる素晴らしい写真が数多く寄せられました。
浜田の郷土芸能や風景を、多くの方々に観光を通じて楽しんでもらうことはもちろんですが、今回のコンテストをきっかけに、カメラを始めたばかりの方や、普段あまり写真を撮らない地元の皆さんにも、写真の面白さや奥深さを感じてもらえたら嬉しいです。スマートフォンのカメラ機能を活用するだけでも、新たな視点が広がり、これまで気づかなかった魅力を発見することができるでしょう。
写真は、その瞬間の感動や空気を切り取ることができる素晴らしい表現手段です。これからもぜひ、それぞれの視点で浜田の魅力を写し取り、新しいワンカットを捉えていってください。
審査員総評
岩本 薫氏
(株式会社アイ企画 代表)
1974年生まれ。島根県浜田市出身。デザイン会社の代表として数多くの石見神楽作品を手掛ける。
コンテストに参加をされるだけでも、皆さんにとって、とても価値のあることだと思い、敬意を表します。
全ての作品を見させていただき、浜田愛や、写真への真剣さ、楽しさ、戸惑い、割り切りなども見え、写真はその瞬間を切り取る世界なんだと改めて感じました。
この度初めて審査員に加わらせていただきましたが、みなさんから元気を頂きました。ありがとうございました。
受賞作品発表
3年目となるこの浜田たびフォトコンテストでは、初めて「石見神楽部門」を新設し、旅ごころくすぐる部門321点、石見神楽部門79点、全部で400点の作品をご応募いただきました。それぞれの部門からグランプリ1点、準グランプリ2点、入選10点を審査員にて選出いたしました。また、浜田で旅を楽しむ人や動物を収めた写真を対象に、当協会の職員で「特別賞 浜田たびを楽しんだで賞」を22点選出いたしました。ご応募いただいた作品は、今後の浜田市の観光PRの素材として活用させていただきます。本年も誠にありがとうございました。
緑の大蛇
撮影者 : 安江 浩樹さん
〈撮影場所 : 浜田市三隅町〉
【審査委員長コメント】
構成が素晴らしく、石州瓦の茶色い屋根や焚き火の白い煙が、どこか懐かしい情景を思い起こさせます。現代では焚き火を見る機会も少なくなりつつありますが、このような風景を写真として残し、訪れる人に感動を与える大切さを感じます。さらに、列車のタイミングも絶妙で、美しい夕景と相まって作品の印象をより強めています。
【審査員コメント】
のどかな田舎の町並みに、未来的な特別な列車の走る不思議な景色。春の頃でしょうか? 刈草を焼く煙の霞と傾いた日差しが日本情緒を漂わせています。右の真っ直ぐな車道とうねる列車のコントラストもよく、ネーミングセンスも素晴らしいと思いました。
銀河鉄道の夜
撮影者 : 山藤 広巳さん
〈撮影場所 : 幻の広浜鉄道今福線(宇津井町)〉
【審査委員長コメント】
深みのあるトーンが美しく、寄せられたコメント通り、銀河の橋を思わせる色彩の組み合わせが印象的です。中央部の明るさが画面全体に安定感を与え、静けさと落ち着きのある仕上がりになっています。このようなバランスの取れた作品からは、丁寧に構図やトーンを考えられた撮影者の工夫が伝わってきます。
【審査員コメント】
未成線のSLが、天の川をレールにし、空に飛び立つかの様な幻想的な景色で、ロマンを感じさせます。現場は真っ暗で静かな環境、数々の星と語り合いながら撮影されたんだなと思いました。
ペルセウス座流星群
撮影者 : 中村 謙治さん
〈撮影場所 : 浜田マリン大橋〉
【審査委員長コメント】
流れる流星と橋を中心にした安定感のある構図が魅力的です。ポイントとなる光が効果的に配置され、全体的にバランスよく仕上がっています。見やすくまとまった作品で、実際に現地を訪れてみたくなるような風景です。
【審査員コメント】
まるで浜田ではないような、未来的に見えるマリン大橋に流星が降りそそぐ。CG動画のモーションキャプチャーを切り取ったかの様な写真で、カッコイイなと思いました。
蛍舞う星空
撮影者 : 伊藤 和恵さん
〈撮影場所 : 周布川(内村町)〉
【審査委員長コメント】
周布川とは思えない幻想的な光景で、星の輝きがとても印象的です。ソフト系のフィルターを使ったような柔らかな雰囲気が感じられます。蛍と星空という露出の異なる被写体を見事に捉え、長秒撮影ならではの美しい仕上がりになっています。
それぞれの黄昏
撮影者 : 松谷 敏秀さん
〈撮影場所 : 石見畳ヶ浦〉
【審査委員長コメント】
これは偶然の一瞬を捉えたものでしょうか?人物の配置やシチュエーションが非常に洗練されており、まるで企業広告を思わせる完成度の高い作品です。動きのあるシルエットが効果的で、全体に躍動感を与えています。また、太陽の位置取りが絶妙で、自然光を活かした美しい表現に撮影者のセンスが感じられます。計算されたような構図が、シンプルながら強い印象を残す一枚です。
哀しみを照らす
灯をかざせ
撮影者 : 石田 龍嗣さん
〈撮影場所 : 国府海岸〉
【審査委員長コメント】
夕方の国府エリアならではの美しさが存分に表現された一枚です。空と海が織りなす深みのある色合いと、そのコントラストが画面全体に広がり、思わず見入ってしまうような印象を与えます。このような瞬間を丁寧に捉えたことで、地域の魅力が際立った作品に仕上がっています。
躍 如
撮影者 : 河村 篤司さん
〈撮影場所 : 島根県立しまね海洋館アクアス〉
【審査委員長コメント】
それぞれの個性が感じられるペンギンたちの仕草が可愛らしく、特に一点を見つめる姿がとても印象的です。このような自然な表情をこれほど至近距離で捉えられるのは、アクアスならではの環境があってこそでしょう。ペンギンたちの愛らしい動きを間近で感じられる魅力が、写真を通してしっかりと伝わってきます。
春うらら
撮影者 : 向田 晋也さん
〈撮影場所 : 浜田市瀬戸ヶ島町〉
【審査委員長コメント】
海の街浜田のほのぼのとした雰囲気がよく伝わる一枚です。水面の揺らぎが収まるのを待ってシャッターを切った丁寧さが、写真の仕上がりに活きています。画面左の橋をカットし、島と水面をセンターに配置すると、さらに可愛らしい印象になったかもしれません。
畳ヶ浦の夕陽
撮影者 : 仲 翔平さん
〈撮影場所 : 石見畳ヶ浦〉
【審査委員長コメント】
畳ヶ浦の美しさを見事に捉えた一枚です。太陽が飛びすぎることなく抑えられており、シャドー部には細やかなディテールが残されているため、自然の奥行きと豊かさをしっかりと感じることができます。光と影のバランスが絶妙で、自然が織りなす美しい風景を丁寧に表現した作品に仕上がっています。
浜田漁港の夏
撮影者 : 河村 正行さん
〈撮影場所 : 浜田漁港〉
【審査委員長コメント】
船のディテールをしっかりと捉えつつ、花火を組み合わせた構図がとても新鮮で印象的です。花火の色彩も美しく表現されており、特に青と赤の光のコントラストが目を引きます。このような異なる被写体をバランス良く収めたことで、魅力的な一枚に仕上がっています。
海の冒険者たち
撮影者 : 松下 知江美さん
〈撮影場所 : 石見畳ヶ浦〉
【審査委員長コメント】
被写体がカメラを意識していない自然な雰囲気がとても魅力的です。まだ夕方前の暑い時間帯ならではの光線が、干潮の様子を見事に表現しています。磯遊びの楽しさやその場の空気感が画面全体から伝わり、見る人に親しみを感じさせる一枚に仕上がっています。
大麻山神社
撮影者 : 山形 隆真さん
〈撮影場所 : 大麻山神社〉
【審査委員長コメント】
私もこの場所を好んで訪れることがありますが、特に天気の悪い日には霧や雨が色を深め、独特の神々しさを感じさせます。本作では、霧に浮かぶ社殿が幻想的に描かれており、このエリア特有の雰囲気がよく表現されています。露出設定も適切で、画面全体に深みが生まれ、作品の魅力をさらに引き立てています。
えっ、ここ浜田?
撮影者 : 池田 まさあきさん
〈撮影場所 : 下府川河口〉
【審査委員長コメント】
何度も訪れたことのある沖縄の夕景にも劣らない、美しい色調が印象的です。雲が良いアクセントになり、ブルーからオレンジへの鮮やかなグラデーションが目を引きます。この鮮明な色彩表現によって、夏の浜田の魅力が存分に引き出された一枚です。見る人に季節感と風景の美しさをしっかりと伝える作品になっています。
豪華絢爛の石見神楽
撮影者 : 藤田 好太郎さん
〈撮影場所 : 浜田市三隅町〉
【審査委員長コメント】
大胆なフレーミングが、鍾馗の迫力や威厳をしっかりと捉えており、画面全体に力強さを感じさせます。石見神楽の特徴である華やかな衣裳も丁寧に描写されており、伝統芸能ならではの美しさを引き立て、石見神楽の持つ魅力がしっかりと伝わってくる一枚に仕上がっています。
【審査員コメント】
迫力満点!鍾馗が、目に見えない疫神を探り、交差するシーンが力強く捉えられています。石見神楽の花形演目の重みもたっぷり感じる一枚です。
魅 了
撮影者 : 松谷 敏秀さん
〈撮影場所 : 銀天街どんちっちタウン〉
【審査委員長コメント】
八岐大蛇の激しさや力強さがしっかりと表現されており、観客の熱気も画面にうまく収められています。撮影タイミングが的確で、白蛇が止まっている一方、他の蛇がブレていることで動きのダイナミズムが際立ち、勢いを感じさせる一枚に仕上がっています。
【審査員コメント】
一夏の浜田市民の楽しみ、銀天街フェスタの熱狂が、照明効果も便乗し、熱気ムンムンに捉えられています。浜田らしい活気ある作品です。
おらが鬼舞
撮影者 : 石田 龍嗣さん
〈撮影場所 : 浜田市田橋町〉
【審査委員長コメント】
安定感のあるフレーミングに加え、背景の程よいボケが般若の表情を際立たせ、画面に奥行きをもたらしています。鬼棒や衣裳袖のブレ、さらに火花の輝きが躍動感を引き出し、石見神楽の8調子特有のスピード感をしっかりと感じさせます。一瞬の動きと静のバランスが見事な一枚です。
【審査員コメント】
鬼の出現シーン。ダイナミックな動作と、放った花火の残像がホタルの光の様にも見える、スローモーションで見ているかの様な作品です。
加藤清正 虎退治
撮影者 : 川本 麻夏さん
〈撮影場所 : 浜田市長沢町〉
【審査委員長コメント】
神楽の演目中の一瞬を捉えた作品ですが、安定感のある構図が際立っており、まるで事前に計算されたかのようなバランスの良さが印象的です。露出を控えめに設定することで、色の深みが増し、画面全体に落ち着きと品のある雰囲気を与えています。動きの中で見せる静けさが心に残る一枚です。
岡見神遊座 道がえし
撮影者 : 土江 航生さん
〈撮影場所 : はっしー広場〉
【審査委員長コメント】
屋外公演ならではの瓦を背景にした構図が独特で、鬼の勢いある動きがしっかりと印象に残ります。背景の選び方が場面全体に臨場感を与えていますが、もし右袖がもう少しフレーム内に収まっていれば、動きのダイナミズムがさらに際立ち、より完成度の高い一枚になったのではないでしょうか。
ザ神楽
撮影者 : 村上 真由美さん
〈撮影場所 : 三宮神社〉
【審査委員長コメント】
八岐大蛇が吹く火花にピントを合わせた本作は、噴き出す火花の激しさや勢いを通じて、石見神楽の迫力を効果的に表現しています。もう少し引いて奥の蛇も画面に収めることで、全体のバランスやピントの調整がさらに良くなったかもしれません。
大 蛇
撮影者 : 皆川 雅彦さん
〈撮影場所 : 三宮神社〉
【審査委員長コメント】
大蛇演目のキメの瞬間を捉えた作品で、画面下に写る酒をすすめ、酒樽を持ち上げる姿が微笑ましく印象的です。石見神楽は演じる人と観覧者が一体となる魅力があるので、観覧者の様子も写し込むことで、さらに臨場感が増す作品になると思います。
豪華絢爛
撮影者 : 表田 麻衣さん
〈撮影場所 : 浜田市竹迫町〉
【審査委員長コメント】
神楽衣裳に着目した作品で、配色やデザインの個性がしっかりと表現されています。実は私もこうした衣裳の工房について興味を持ち、勉強を重ねているうちに、配色や刺繍の特徴から「どこの工房の作か」が何となく分かるようになりました。それぞれの工房が持つ独自のセンスや伝統を、写真を通して感じられる点がとても魅力的です。
神楽に魅せられて
撮影者 : 森口 朗さん
〈撮影場所 : 浜田市弥栄町〉
【審査委員長コメント】
演目に見入る子供の立ち姿が印象的な作品です。天蓋と男の子の両方を収めようとした難しい場面だったかと思いますが、天蓋をあえてカットし、もう少し男の子を中心に収めることで、より強い印象を与える一枚になったかもしれません。
性根を入れる
撮影者 : 上田 直輝さん
〈撮影場所 : 三宮神社〉
【審査委員長コメント】
珍しい角度から捉えられた印象的な一枚で、視点の工夫が感じられます。お辞儀をする姿には日本の伝統美が漂い、画面全体から神楽特有の神聖な空気感が伝わってきます。このような動きの中に静けさを感じさせる構図が作品の魅力を一層引き立てています。
スサノオ
撮影者 : 児島 巧さん
〈撮影場所 : 三宮神社〉
【審査委員長コメント】
八岐大蛇がいよいよ登場する緊張感あふれるシーンを見事に捉えた一枚です。漂う煙幕が怪しげな雰囲気を演出し、演目の持つ独特の世界観を引き立てています。色調や露出のバランスも良く、画面全体に臨場感が伝わる作品に仕上がっています。
わたしもやりたい!
撮影者 : 小村 桃子さん
〈撮影場所 : 森トピア〉
【審査委員長コメント】
弊を持って祓う子供の姿が愛らしく、後ろ姿からあどけなさが伝わってくる一枚です。ただ、画面上部が空いてしまった点が少し惜しく、しゃがんで足元まで写し込むことで、さらに可愛らしさが引き立ったかもしれません。
神通自在に
飛び行く大悪鬼
撮影者 : 中芝 達也さん
〈撮影場所 : 三宮神社〉
【審査委員長コメント】
鬼が火花を噴きながら飛び出してくる瞬間を的確に捉えた一枚です。画面の入り方は良いバランスで仕上がっていますが、こうしたシーンでのピント合わせは本当に難しいものだと感じます。地元でこのような場面にいつでもカメラを向けられる環境が羨ましいですね。
天までとどけ
撮影者 : 藤本 春香さん
〈撮影場所 : アクアスランド〉
仲良しデート旅
撮影者 : 岡村 美紅さん
〈撮影場所 :石見畳ヶ浦〉
ここから…未来へ
撮影者 : 川口 秀則さん
〈撮影場所 : 石見海浜公園〉
おもしろ貝
み~つけた!
撮影者 : 前川 巧さん
〈撮影場所 : 石見畳ヶ浦〉
来年もまた、、、
撮影者 : 江角 祥子さん
〈撮影場所 : ゆうひ公園〉
天然博物館
撮影者 : 小村 桃子さん
〈撮影場所 : 石見畳ヶ浦〉
一日の終わりを
見に行こう
撮影者 : 大場 由美子さん
〈撮影場所 : 石見畳ヶ浦〉
青い世界
撮影者 : 脇田 佳恵さん
〈撮影場所 : 島根県立しまね海洋館アクアス〉
黄昏の誓い
撮影者 : 松谷 敏秀さん
〈撮影場所 : 石見畳ヶ浦〉
やさかの少女 あやね
撮影者 : 河平 颯希さん
〈撮影場所 : 浜田市ふるさと体験村〉
向日葵に負けない
僕の笑顔!
撮影者 : 濱澤 雄太
〈撮影場所 : 野山嶽ひまわり園〉
初めてのいちご狩り
撮影者 : 岩元 貴哉さん
〈撮影場所 : きんた農園ベリーネ〉
100歳まで生きるぞ!
撮影者 : 岩元 貴哉さん
〈撮影場所 : 野山嶽ひまわり園〉
旅で、飛ぶ
撮影者 : 野々村 貴史さん
〈撮影場所 : 石見畳ヶ浦〉
ここで夕陽
見れるなんて
撮影者 : 大場 由美子さん
〈撮影場所 : 石見畳ヶ浦〉
でっかくなっちゃった
撮影者 : 中藤 沙奈子さん
〈撮影場所 : きんた農園ベリーネ〉
こっち来て~!
撮影者 : 上田 直輝さん
〈撮影場所 : 道の駅ゆうひパーク三隅〉
だーいすき!
撮影者 : 鵜飼さん
〈撮影場所 : 石見海浜公園〉
それぞれの映えポーズ
撮影者 : 見崎 智子さん
〈撮影場所 : 石見畳ヶ浦〉
笑顔でローラー滑り台
撮影者 : 久保田 衛さん
〈撮影場所 : ゆうひ公園〉
暑い日に特大ソフトを
いただきます(笑)
撮影者 : 川村 小百合さん
〈撮影場所 : 道の駅ゆうひパーク三隅〉
思い出のどんちっち!
撮影者 : 島崎 恭華さん
〈撮影場所 : 三宮神社〉
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主 催
一般社団法人 浜田市観光協会 
TEL0855-24-1085