【スタート】遺構①今福橋梁
(浜田市金城町今福)
金城スマートIC を起点に一番最初に出会うのがこの今福橋梁、県道5号を走るとすぐ左手に見えてきます。のどかな田畑の中に佇む姿は、ロマン旅への出発に気持ちを沸き立ててくれます。この橋は、昭和55 年に整備された新線によるものですので、近代的な造りとなっています。その橋梁から先をみると、土手に貫かれた下長屋トンネル。長いこのトンネルは一気に1つの集落を飛び越えてしまうくらいの距離。さあ、ワクワクした気持ちを列車に乗せて、出かけましょう!

近くには、バイクの聖地「オートバイ神社」や、ガソリンスタンド、コンビニがあるよ。旅の祈願を祈ってからスタートするのもよいかも!
僕が取材に出かけた時には、近所の方が脚立で橋梁の上に上げてくれたよ♪ まるで列車に乗ったかのような気分が楽しめるよ。
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近くのおすすめスポット
金城オートバイ神社
浜田市金城町・かなぎウェスタンライディングパークの上、堂床山山頂にある日本第一号の「オートバイ神社」
かなぎウェスタンライディングパーク
中国山地の山並みを眺めながら、馬との心のふれあいができる乗馬施設です。
リフレパークきんたの里
自然に囲まれた複合温泉施設。地元食材を使った料理が自慢。
遺構②下長屋トンネル
(浜田市金城町今福/浜田市佐野町)
1つの集落を貫く、全長1633mの長いトンネル遺構。一直線に作られているので、出口の小さい穴が今福側からも佐野側からも確認することができます。このトンネルの見所はトンネル内部で側壁の形状が切り替わるポイントがある点で、中には入ることはできませんが、入口の形で見分けることができます。今福側は馬蹄型、佐野側は側壁直型となっており、マニア受けするポイントとなっています。また、佐野側のトンネル入口には、広浜鉄道最大の見所ともいえる、旧線と新線が併走する「第一下府川橋梁・4連アーチ橋」があります。

入り口から反対側の出口が見えるくらいまっすぐで長~いトンネルだよ。入り口から愛を叫んだら、反対側にも届くのかな? 試してみるとよいかも。バイクや車で反対側のスポットまで走ると、その距離の長さがよく分かるよ!
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遺構③第一下府川橋梁・4連アーチ橋・鉄楽の道
(浜田市佐野町)
今福線は、浜田駅を起点とする新線と、浜田駅を起点とし下府駅を分岐駅とする旧線の2つの路線が計画されていました。第一下府川橋梁が新線、4連アーチ橋が旧線の橋脚で、新線と旧線の橋梁を同時に見ることができる全国的にも珍しい場所です。
新線の橋梁の先には下長屋トンネルがあり、直線的に今福まで抜け、旧線は山沿いを悠然と辿るルートとなっています。また、第一下府川橋梁へと続く約400mの直線路盤「鉄楽の道(てつらくのみち)」は映画「天然コケッコー」のロケ地に、「4連アーチ橋」はフジテレビスペシャルドラマ「悪魔の手毬唄」のロケ地にもなりました。

少し見つけにくい場所にあるので、案内板やマップを辿って進んでみてね。鉄楽の道の先には写真&記帳ノートがあるので、広浜鉄道を巡った証を残してみよう! バイクや自動車でスポットの4連アーチ橋まで進めるよ。壮大な景色をぜひ楽しんでほしいな♪
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遺構④おろち泣き橋
(浜田市佐野町)
おろち泣き橋は、現在市道として使われている遺構で、看板横の扉から、橋の下まで行くと4連アーチ橋だということがわかります。
この橋の正式名称は眼鏡橋です。おろち泣き橋の名前の由来は、アーチ橋の下の、ある地点に立つと、川のせせらぎがアーチに反響して大きく聞こえる場所があることに関係します。アーチ橋全体を、石見地方の伝統芸能「石見神楽」の「大蛇」の胴体に見立てて、その大蛇が、今福線が未完成に終わったことを嘆き悲しんで泣いている声が、音が大きく聞こえる原因であるという発想から、地元住民からは「おろち泣き橋」と呼ばれ、命名されました。遺構を間近で見ることができるだけでなく、音の変化も楽しめる体験スポットです。

③の第一下府川橋梁・4連アーチ橋からの戻りに道に見えてくる橋だよ。めがね型の橋だからすぐ分かるよ!
下に降りて泣き声を聞くと、たしかに聞こえる。なんと泣き声が聞こえる場所は、実は一箇所ではないよ! 足元が不安定なので転ばないようにしながら、ポイントを探してみよう♪
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遺構⑤4連アーチ橋・今福第四トンネルと1連アーチ橋
(浜田市宇津井町)
4連アーチ橋は、2008年(平成20年) に土木学会に「今福線アーチ橋群」として選奨土木遺産に認定された際にシンボル的存在として紹介されました。橋には認定銘板が打ち付けられ、傍には地元の宇津井自治会によって看板が設置されています。
橋の先には長さ82mの今福第四トンネルがあり、トンネルで唯一自由に通行することができます。
トンネルをくぐった先には1連アーチ橋があり、川端に降りると遺構の全景を眺めることができます。
4連アーチ橋から南に下ると、高さ約24mの浜田自動車道が見えます。道路を支える橋脚が立っている場所は鉄道路盤が活用されています。現在と昔の橋が一同に会する、趣深い風景を見ることができます。

1連アーチ橋まで行くには、4連アーチ橋を渡って、今福第四トンネルをくぐらないとたどり着けないよ。トンネル、少し怖いけど勇気を持ってくぐってみよう。下府川の渓流がきれいで、マイナスイオンもたっぷり浴びることができるよ♪
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遺構⑥ 5連アーチ橋・今福第三トンネル
(浜田市宇津井町)
5連アーチ橋は、現在は県道として転用されている現役の遺構です。県道から脇道を降りると真下から見上げることができます。山側の擁壁と橋が県道の片側1 車線ずつを構成する構造を見ることができます。5連アーチ橋の高さは約11m、橋は約100mにもなります。下から見上げると遺構の大きさに圧倒されます。
5連アーチ橋から南側には今福第三トンネルがあります。長さは190mで、以前は県道の近道として利用されていましたが、現在は立入禁止となっています。トンネル内を覗くと、さらに奥にある今福第四トンネルの向こう側まで一直線に見通すことができます。

県道から降りて見上げるとその大きさに圧倒されるよ。田園の広がる集落の入口にあって、周りの景色はとってものどかだよ。アーチ橋から見える景色は、列車が走っていたらとってもよかったと思うよ。終点までの中間点。のんびり周りを散策してみよう♪
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遺構⑦橋脚群・今福第一トンネル
(浜田市宇津井町)
橋脚群は橋台と橋脚が完全な姿で残る珍しいスポットです。約90mの橋が架かる予定でしたが、第二次世界大戦の影響で鉄が不足し、1940(昭和15)年には工事が中止となり、橋桁が作られることはありませんでした。川の中にある橋脚の高さは約15mで円形をしています。水の流れの影響を小さくするために丸い形をしていますが、全国的には舟形や小判形が多く、非常に珍しい遺構です。
看板横の階段を昇ると、今福第一トンネルがあります。長さは288mで、旧線では2番目に長いトンネルです。トンネル内には水が溜まっており、通り抜けはできません。トンネルから振り返ると橋脚群が緩いカーブを描きながら建ち並ぶ姿を一望できます。

古代遺跡のようなワクワクするような景色が広がるスポット。もしここに橋があったら壮大な景色になっていたと思うよ。山の斜面にある階段を登ると、今福第一トンネルから橋脚群への道筋が一望! 空中を走る気分を満喫できるよ! どこから撮っても映えスポットになる名所だよ♪
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遺構⑧有福第三トンネルと橋脚
(浜田市宇野町)
宇野の町に抜ける最後の大きなカーブに突如として現れる遺構です。下府川を跨ぐ2基の橋脚とその奥のトンネルの佇まいが当時の計画の様相を強く目に焼き付けられます。有福第三トンネルは137m、その奥は1基の橋脚と有福第四トンネルへとつながります。

このトンネルと橋脚は道を走っていると突然現れるよ。ぽっかりあいたトンネルは、まるで山のお口のよう。道幅が広くなっていますがバイクや車を置く場所がなく、カーブで危険なため、安全な場所に駐車し歩いてスポットに向かうのがベストだよ! 橋脚としては最後のスポット♪
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⑨【終点】JR 下府駅
(浜田市下府町)
広浜鉄道へと分岐する拠点となるJR下府駅は、JR浜田駅から1つ目の駅。旧国鉄時代、広浜鉄道今福線が完成していれば、可部へつながる今福線ルートの玄関駅となっていたかもしれません。2番のりばのさらに右側(幻の3番線)に今福線が入り、右の小山に向けて橋台や路盤が建設されました。現在、3番線は空地となっています。

JR 下府駅からは街になるので、コンビニやお店などが沢山あるよ。広浜鉄道の旅で消費したガソリンも補給できちゃう! 東へ行けば「しまね海洋館アクアス」や「国指定天然記念物石見畳ヶ浦」、「国府海岸」など海のスポット、西へ行けば浜田市街地でランチやディナー、ホテルも建ち並ぶよ。お土産はJR 浜田駅構内「特産品販売所」がオススメ!旅のご案内もお任せあれ。足を伸ばせば「はまだお魚市場」で新鮮な魚も購入できちゃう。夜神楽で僕に会いにも来てほしいな♪
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近くのおすすめスポット
石見畳ヶ浦(国指定天然記念物)
1600万年前の海底が地上で観察できる珍しい景勝地
国府海水浴場
きめの細かい白砂の海岸が約1kmに渡るきれいな海水浴場です。
島根県立しまね海洋館アクアス
約400種1万点の海の生物を展示する中国・四国地方最大級の水族館。
浜田市観光協会特産品販売所
浜田市の特産品を扱う浜田駅構内のショップです。観光案内もお任せくだ
さい。
はまだお魚市場(山陰浜田港公設市場)
浜田漁港で水揚げされた日本海の旬の魚を鮮度そのままお土産に。
浜田の夜神楽週末公演
毎週土曜日(一部休演日あり)の夜に観賞できます。